今回の『病気について知ってもらいたい』はこれから予防シーズン到来の『フィラリア症』についてです!
フィラリア症とは、蚊に刺された際にフィラリアの幼虫が体内に侵入することで感染する寄生虫の病気です。フィラリア幼虫が体内に侵入して約半年で成虫にまで成長し、心臓の中に寄生するようになります。心臓や肺動脈に寄生することで様々な症状(食欲不振、咳、呼吸困難、心不全、吐血)を引き起こし、死に至る可能性もある大変危険な病気です。フィラリア症にかかる動物は犬が代表的ですが、最近では猫やフェレットも感染することが分かっています🐈また、猫やフェレットは体が犬に比べて小さいため、寄生するフィラリアが少数でも重症になることが分かっています。 たまに聞かれることですが、寄生虫であるフィラリアはワクチンでは予防出来ません!予防のためには寄生虫専用の薬が必要ですが、決められた方法をしっかりと実践することで予防することができます。
〜フィラリア予防薬の注意点〜
①蚊が飛び始めてから~蚊がいなくなって1ヶ月後まで(大体5月~12月まで)の間、毎月1回予防薬を飲ませたり、背中につけます。
※薬には様々なタイプの物があり、犬にはノミ・マダニとセットになった物もあります。
②その年の1回目の予防薬を投与する前に血液検査を実施します。この検査では万が一にもフィラリア成虫に感染していないかを検査しています。
※フィラリア成虫に感染した犬に予防薬を投与することは大きなリスクを伴います。
当院では皆様にしっかりとフィラリア予防をしていただきたいという思いから、フィラリア予防薬をまとめて購入していただくと予防薬の代金を少し割引させていただくキャンペーンを行っております。
またフィラリアのための血液検査の際に健康診断も一緒に実施することをおすすめしております。
個人的な感想ですが、奈良県は以前勤務していた大阪に比べて自然が豊かなせいか、フィラリア症にかかって来院される患者さんが大阪よりもはるかに多いです。フィラリア症は命に関わる病気であり、かかってしまうと治療にすごく時間がかかるのと、治療期間中も常に爆弾を抱えているようなリスクがつきまといます。
予防をしっかりとしてあげることでほぼ100%予防出来る病気ですので、しっかりと予防をしてあげて欲しいと思います😢